株式会社トレジャー・ファクトリー

 今期は過去最高の出店を計画  生活に密着したリユーズ商品の販売を展開

 2007年12月、東証マザーズ市場に上場した株式会社トレジャー・ファクトリー(証券コード:3093)は衣料・服飾、家電製品、生活雑貨、家具など生活に密着した多岐に渡るリユース品の買取、販売を主に東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県を中心に行っている。
 昨年の秋口、いわゆるリーマン・ショック後、景気は一気に冷え込み節約志向が顕著になる中、同社はいわゆる生活防衛関連企業として注目を浴びている。09年3月からスタートした新年度(10年2月期)は時代の潮流を敏感に感じとり、これまで以上に頑張りたいという熱い意気込みで、事業にまい進している。そこで、野坂代表取締役社長及び小林管理部長にヒアリングを実施し、同社の事業概況や中期展望などを中心に「TRIFレポート」としてまとめた。なお、同レポートは09年5月13日に取材を行った内容をまとめたものです。

(1)目指すは300年発展を遂げる企業作り

 企業にはそれぞれ社会的使命があり、それを果たしていくことができてはじめて事業を継続していくことができる。では、トレジャーファクトリーの社会的使命は何か?
 それは企業理念に凝縮されていよう。野坂社長によると、「永続して発展・成長していける企業を作りたいというのが創業時から持ち続けている私の目標です。その実現のためには理念の浸透・共有が重要だと考えています。『トレジャーファクトリーは人々に喜び・発見・感動を提供します』という当社の経営理念を社員や取引先の方、お客様にどう感じ取ってもらえるか、といったことが非常に大事なことだと考えています」とのこと。

具体的には、年1回の事業計画の発表会で社員に説明をすることで共有化を図ったり、名刺など多くの方々の眼に触れるところで、記載し伝えている。
 それでは“永続して”事業を行う期間は?との問いに、「未来永劫」と答えてしまうとピンとこない。09年4月14日の決算説明会資料の中で、「徳川幕府を超える300年続く会社を目標に、持続的に成長し、世界規模でリサイクルビジネスを展開する」という象徴的な数値を掲げることによって、同社は事業継続への強い意思を持った取り組み姿勢を打ち出している。
 そして、経営理念の共有化に向けたしっかりとした取り組みを裏付けるように、軸ぶれがなく堅実な経営を展開していることが、話の端々に垣間見ることができ、まさに有言実行している。こうしたことを踏まえて、次に同社の事業展開を概観した。
野坂社長
野坂社長

(2)裾野広がる販売チャネル

 09年2月期の業績は、売上高が前年同期比25.8%増の42億42百万円、経常利益は同2%増の2億21百万円と、増収増益となった。店舗数は35店舗、内訳は総合リサイクルショップ「トレジャーファクトリー」が30店舗、ユーズドセレクトショップ「トレジャーファクトリースタイル」が3店舗で、計33店舗が直営店である。残り2店舗は福島県にあり、これはFC店である。
 直営店の商品別販売をみると、衣料・服飾雑貨が一番多く前年同期比30.2%増の15億16百万円、以下、家電製品が同27.2%増の11億66百万円、生活雑貨が同27.5%増の7億19百万円、家具が同9.8%増の4億78百万円、ホビー用品が同20.4%増の3億4百万円の順になっている。
 事業発展を遂げるために、同社が現在強化している経営方針として…庄津絞淕屬粒搬膈業態の多様化新規ビジネスの立ち上げ・展開の3つを掲げている。

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 同社の中核をなす総合リサイクルショップ「トレジャーファクトリー」は、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県に出店を続けている。昨年度は、JR南柏駅に隣接する複合施設に総合リユース業態として初の出店となった南柏店を08年7月にオープン。続く08年12月には同社では最大の売り場面積を誇る南大沢店の開店など、新規店舗数は6店舗(うち、1店舗が服飾専門店)となった。直営店は大型店・中型店・小型店というカテゴリー分けをしているが、上記の2店舗に代表されるように中型店・大型店へのシフトを鮮明にしてきている。ちなみに、1店舗あたりの投資額は総額4,000万円〜5,000万円である。
 直営店を重視している理由は、これまで培った仕入れ部門の強みなどを活かし、効率良く経営資源を振り向けることができることに起因している。直営店を推進するには、人材の採用・育成、商品の仕入れなど一層の強化を図っていくことが肝要であるが、これが実現すれば持続的な事業ができる経営基盤の強化に繋がるともいえるだけに、その取り組みが注目される。
 中・長期展望としては、首都圏から多商圏広がっていくことを思い描いている。また、時代の変化を読み取り、新しい取り組みや絶え間ない創意工夫ができるようなチャレンジ精神を欠かさない店舗運営を心掛けている。

【店舗訪問記1】
2009年5月22日付
総合リサイクルショップ「トレジャーファクトリー 南大沢店」

 通りを歩いていると、外観が青、黄、赤と遠くからでもすぐわかる色彩の店舗が見えました。総合リサイクルショップ「トレジャーファクトリー南大沢店」です。1F正面入り口とは別に、駐車場から買取カウンターに直接いける入り口があり、買取の品物を持ち込みやすい仕様になっていました。  家電(テレビ、洗濯機、電子レンジ、照明器具)が非常に充実していました。なにより驚いたのは、洗濯機が非常に綺麗で、クリーニング&メンテナンスが良好なのがわかります。
 家具のコーナーは、家電コーナーとは照明をかえ、自然光と間接照明で家具類がより自然に美しく見える工夫がされています。
 引き出物に使われた食器類やステンレスポット等は未使用品があり、いわゆる新古品として格安で購入できるようです。
 南大沢店は、家電、家具・インテリアから衣類・ファッション類まで取り扱う総合リサイクルショップです。お店の方々も非常に明るく元気で挨拶がしっかりしていました。お客様に新設丁寧に対応している姿を見ることができました。また、店内はとても綺麗・清潔で明るく、中古販売にありがちな暗いイメージがないことがお客様を引きつける一つの力ではないかと感じました。

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業態は「総合」から「専門」までバランスよく進出:
 総合リサイクルショップに次いで、06年10月に服飾に特化したユーズドセレクトショップ「トレジャーファクトリースタイル」が千葉市に初めて開店した。08年8月にオープンした高円寺店は3号店目になる。トレジャーファクトリースタイルの売り場面積は総合店の3分の1程度の100坪タイプである。  出店計画については、総合店と専門店とのどちらかに重きを置くというのではなく、バランスよく出店していくことを計画している。ただ、出店地域については総合店も服飾を扱っていることもあり、隣接することで相乗効果が見込める場合を除き、ある程度、一定の距離を置いて出店していくことを基本方針としているが、ドミナント方式は総合、専門を問わず共通して採用している。
 専門店を立ち上げてから3年近く経過したこともあり、総合店と同様にパッケージ化できるノウハウが確立してきたと同社では捉えている。このことは、服飾に次ぐ新たな業態を立ち上げる準備期間に入っていることを示唆しており、新たな新業態が立ち上がるとなれば、業態は一段と多様化してこよう。ちなみに、多様化という点では、前年度(09年2月期)からスタートしたリサイクル携帯電話の販売は「商材」に関してすそ野が広がっている。

【店舗訪問記2】
2009年5月22日付
ユーズドセレクトショップ「トレジャーファクトリースタイル 多摩センター店」

 衣類の専門ということで外観の色調は茶系統で落ち着いた雰囲気のお店です。入り口を入るとすぐ右に買取カウンターがあります。やはり買取が重視されているのがわかります。
 積極的に買い取りたいブランドのアピールも、ビームスなどの定番からjoias、snidelなど最近のリアルクローズと呼ばれているブランドまで、具体的にPOP等を活用して顧客にアピールしていました。
 販売についても、女性ファッション誌に連動したディスプレイ、コーディネイト、ブランド別等など工夫がされていました。
 男性用も比較的多く、ジーンズやスニーカーなどカジュアルを中心にラインアップされています。その他、バッグや財布など小物類も、いわゆる定番ブランドを中心に揃えられていました。
 こちらのお店も非常に店員さんの対応が良く、明るく元気でとてもよい気分にさせてくれました。
 課題は、いかに在庫を回転させるかではないかと思われます。家電や家具とは違い、衣類は定番ブランドでも流行が速いので、年内・シーズンで効率よく仕入れて販売する工夫を絶えず続けていくことが重要ではないか感じました。

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イーコマースはリユース家電からスタート:
 「新規事業」は既存ビジネスと相乗効果が見込まれる事業かどうかを基準に立ち上げている。同社の強みの1つに仕入れ力があるといえる。仕入れ力があるほど、販売チャネルの拡充が容易になる。新たな販売チャネルがウェブ・サイトでの販売、イーコマースである。09年2月に同社のネット通販サイト(http://www.treasure-f.com/leaseup/index.html)をリニューアルしたことを契機に、家電4点セット(冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電子レンジ)に加え、3点セット(冷蔵庫、洗濯機、テレビ)の販売、単品の販売サービスを開始した。イーコマースは、店舗販売のように地域の制限がなく、全国レベルでの販売が可能というのが最大のメリットである。イーコマースに対応した配送、決済など同社独自の仕組みが徐々に出来上がっていく中で、今後取扱い商品が広がっていくものと思われる。
 このほかに、全国どこでもリサイクルショップが検索できる「うるハピ」(http://www.uruhapi.com/)というポータルサイトの展開を行っている。現在はリユース(同社の取り扱っているのはいわば再利用商品の販売という点で)の販売からは少し離れた事業を模索中。ただし、新規事業はあくまでも既存事業と相乗効果が見込まれることが前提とのコメント。ここにも軸ぶれしない経営方針を垣間見ることができる。
 こうしてみると、総合リユース業態からスタートし、専門店、さらにはウェブ上での販売と、販売チャネルの多様化が進展していることや、従来取り扱っていなかった中古の携帯電話の販売など、商材の分野でも拡充しており、その結果、同社の事業基盤は年々厚みが増してきているといえそうだ。

(3)成長の源泉は仕入れ部門にあり

 同社が今後とも順調に事業拡大していくかどうか、いわば成長の鍵を握っているのは、仕入れ部門の成否にあるといっても過言ではない。いくら店舗数を増やしても販売するリユース品がなければ機会損失が大きい。いうまでもなく、同社はこの点を強く認識しており、仕入れ部門の強化は絶え間なく行っている。
 仕入れ方法は大きく分けて個人から買い取る「一般買取」と新品・中古品取扱業者等から買取る「法人仕入れ」に区分でき、ここ数年概ね2対1の比率で推移している。原価率は後者の法人仕入れの方が高いこともあり、両者の仕入れ比率のバランスを留意しながら進めているが、主に個人から買い取る一般買取に傾注している。買い取り方法は顧客が持ち込んでくる「持込買取」、同社が顧客先まで訪問して買い取る「出張買取」、顧客が宅配便を活用して仕入れる「宅配買取」の3つがある。このうち、顧客からみると最も利便性が高いのが出張買取と思われるが、同社では専門部隊を組成するほど力を入れている。このほかに、引越し時に大量に出る不用品を効率良く買い取りが行えるような仕組み作りを推進するために上場企業との業務提携や同社のサイトのリニューアルの一環として買取サイト(http://www.treasurekaitori.com/)の充実などを図り、仕入れ部門の間口を広げることで、安定的な仕入れルートの確保に努めている。
 仕入れに関する特色としては、購買層を意識した取り組みを行っている点が挙げられる。特定の年齢層とか男性・女性のどちらかを意識した仕入れということは極力避けている。この結果、幅広い年齢層が購入、男女比率もほぼ半々といった構成になっている。こうしたバランスの良さも同社の強みの1つといえそうだ。
 ちなみに、09年2月期の商品別仕入れ実績をみると、衣料・服飾雑貨が前年同期比37.7%増の6億34百万円となっている。同様に、電化製品が同27.7%増の4億65百万円、生活雑貨が同41.6%増の2億27百万円、家具が同1%減の1億27百万円、ホビー用品が同21.9%増の1億12百万円の順となっている。仕入れ力強化が功を奏したことに加えて、景気後退の影響もあり、仕入れの取扱高は大幅な伸びを示した1年であった。
 もうひとつ創業時より強化しているのがPOSシステムである。
 POSシステムの導入は珍しくないが、同社は10年を超える開発を独自に進めており、膨大なデータ量をベースに買取査定支援システムを構築している。これによって多種多様な品物の査定を迅速に行えたり、顧客ニーズにマッチした値付けが行えるので、収益のブレを抑え、安定的な仕入れに大きく貢献している。例えば、衣服のようにシーズン中に販売できるかどうかを見極めた買取価格の設定ができないと、大量の在庫を抱えることになり、最悪、破棄することを余儀なくされるというリスクがある。
 「POSシステムで得た大量のデータの活用はまだ十分でない」、「買取価格は販売できる適正な価格をもとに設定する」といった野坂社長のコメントから、効果的な分析や活用度合いのアップによる買取価格の精度が一層高まっていくことが見込まれる。これが実現していくことに比例して同社の収益力は高まっていくものと思われる。

(4)今期は過去最高の新規出店を計画

 今期(10年2月期)の業績は09年4月14日に公表した決算短信によると、売上高が前年同期比16.7%増の49億50百万円、経常利益は同13.0%増の2億50百万円を予想している。また、09年5月14日に公表された月次の売上高は09年3月が前年同月比26%増、続く09年4月は新規出店1店舗が加わったこともあり同31.2%増と好調な滑り出しとなっている。
 最後に、今期の新規出店は7〜8店舗を計画しており、計画通り実現すれば、過去最高の新規出店数になる。まさに、景気低迷期の最中での旺盛な出店意欲は、冒頭に述べたように今年に賭ける同社の意気込みが伺える。

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